新しい住宅がずらりと立ち並ぶ中、大きな庭のあるお宅を発見。笑顔で出迎えてくれたのは丹治さん夫妻と2歳になるお子さん、そして2匹の愛犬たちです。ご家族は、2020年に東京からこの福島県二本松(にほんまつ)市に移住をしてきました。
夫婦ともに福島県福島市出身。もともと中学の同級生だった二人は、それぞれ大学を卒業したのちに、東京で就職をしました。慶太さんはゲーム開発、敦子さんは歯科の仕事をする中で結婚。2018年には、お子さんが生まれました。
移住を本格的に考えたのは翌年4月のこと。保育園の開始に合わせ、敦子さんも職場復帰を考えていたタイミングで、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発令。保育園が登園自粛になり、全く見通しがつかない状況になってしまったのです。ちょうどその頃、慶太さんの会社ではリモートワークがスタート。
「もともとお互いに『子育てするならお互いの地元である福島がいい』という話をしていたんです。幼稚園に上がる前には、とぼんやり考えていたのですが、僕がリモートワークでどこでも仕事ができるようになったことで『もう戻れちゃうね』って」。
保育園にはまだ一度も通えておらず、職場復帰の目途も立っていなかったこともあり、敦子さんは思い切って退職を決意。二人は福島に戻る時期が少し早まっただけだと捉え、家族で暮らす家を建てることにしました。