田中豪さんが運営する『暮らしづくりビレッジ』には、子育て中の母親向けの就労支援を行う民間型ハローワークにカフェスペースが併設され、ママ達が子ども連れで参加できる講座が連日のように開催される多目的スペースも備えています。
「ハローワーク的な機能だけでなく、地域の多くの人に場所を知ってもらうために飲食店を併設することを初めから考えていました」と田中さん。
店内では、天然酵母を使ったベーグルや地元有名コーヒー店と共同開発したコーヒーなどを提供し、BGMにも気を配ります。田中さんは、大学を4年間休学してDJとクラブマネージャーを経験。「どうアイデアを組み合わせたら面白くなるか、考えるところはDJと似ているかもしれませんね」と話します。
都内でママ向けの情報誌制作に関わり、若いママたちのサークルと交流があった田中さんは、東日本大震災後、被災地のママの声を集め直接物資を届けるサポートコミュニティ作りを担当、翌年には法人化し、事業運営してきました。
2015年には福島県内で『働く人づくり応援事業』をサポート、事業の一環として、ママ向けのワークショップを開催します。子育て中のママたちの「働きたいけど働けない」という多くの声を聞き、福島で新しい仕事を作って雇用を進めたいと考えるようになったと言います。郡山市出身の協業パートナーからの「復興イコール自立することだから」という言葉も田中さんを後押しすることに。「出張のたびに福島で食べた白米がおいしくて、それも移住の決め手でした」と田中さんは微笑みます。