「福島県には何度も来ていましたが、天栄村で食べたご飯に、こんなお米食べたことがないとびっくりしてしまって」。 佐々木貞治さんが、バスツアーでたまたま訪れたのが岩瀬郡天栄村でした。 両親の出身地が福島市であったこともあり、いつか福島に住みたいと考えていた貞治さんは、すぐに天栄村を再訪。「移住の窓口になっていた『天栄村ふるさと子ども夢学校推進協議会』の担当の方が、お正月にもかかわらず対応してくださって。1週間の滞在の間、学校やスーパー、病院などの家族で暮らすために必要な場所、温泉やリゾート施設も含め、村内のいろいろな場所を案内してくれました。村のいいところだけでなく不便なことも教えてくれたのがとても参考になったんです」。
移住に向けて、佐々木さん夫妻は都内の仕事関係者や友人に天栄村を見てもらおうとバスツアーを企画。また、都内の物産展で天栄村の特産品を販売してもらうなど、村との交流も生まれました。移住までの1年半の間にほぼ毎月訪れるようになり、「移住する頃には何の不安もなかった」と貞治さんは振り返ります。 一軒家の住まいも決まり、お子さんの進学に合わせて2017年4月に天栄村での生活をスタート。 「家は子どもが通う学校の近くを探してもらいました。空き家や学校な ど、『夢学校』の職員さんが現地をよく知っているので、とても心強かっ たです」と妻の綾さん。
東京浅草育ちの綾さんにとっても家から見える景色は全てが新鮮だと言います。 「『ねえねえ、あの夕焼けすごくない!?』と近所のママ友に話しかけても、『そう?』って、反応が薄いんですよ(笑)こちらでは当たり前の景色なんですね」。
都会にはない暮らしぶりの佐々木さんを訪ねて、これまで東京の友人や知人たち延べ100人が遊びにきました。 「庭で星空を眺めながら乾杯して、もらった新鮮な野菜でバーベキューをする。最高です。都内の家と違って自宅の庭でバーベキューができる。最初、勝手にやったら通報されるんじゃないかとびくびくしたんです」と貞治さんは笑います。