徐さんは2018年4月より「奥会津地域おこし協力隊」として三島町に赴任し、日本語と中国語を使った情報発信などに意欲的に取り組んでいます。学生時代を関西で過ごした徐さんにとって、とりわけ福島との縁が強く結ばれた背景にはこんな出来事がありました。
「最初に就職したのが上海市にある福島県上海事務所。そこでの初めての福島出張が2011年の3月10日でした。翌日、仕事を終えて、趣味の鉄道旅をしようと関西に向かう途中で地震が起こったのです」
間一髪、被災を逃れた徐さんですが、その心にはずっと「福島から逃げた」という思いが残り続けます。その後、2013年に日本大使館が募集する国際交流員に応募。赴任希望地には迷わず「福島」と書きました。
「震災後も福島を訪れ、仮設住宅で被災した方々の話を聞いたりして、被災された方々の力になりたいと思ました。自分が実際目で見たもの、本当の福島を伝えたい。それにはやはり福島に来なければと考えました」
念願の福島勤務が叶い、5年の満期まで勤め上げた徐さん。その後も福島に残ることを決め、ちょうど募集のあった「奥会津地域おこし協力隊」に応募し今に至ります。
「生涯福島と関わり続けたい」そんな強い思いが、徐さんの活動を後押ししています。