松尾さんは、郡山に住んでいた奥様との結婚がきっかけで、東京から郡山に移り住むことになりました。約10年間暮らしていた東京を離れることに未練はなく、不安も迷いもなかったと言います。
「僕にとっては、どこで暮らすかではなく、誰と暮らすかが重要でした。考えなければならなかったのは唯一、どうやって仕事をして食べていくのかということだけでした。どんなに東京や青森から遠い場所だったとしても、妻のもとへ移り住むことに迷いはなかったです」。
郡山への転居を決めてから、準備期間は約半年。その間は、勤務していた美容室の仕事の引き継ぎや、ご指名をいただいていたお客様への退社の挨拶などが中心でした。「移住というより、単なる引っ越しという感覚でした。今回インタビューを受けることになって、『そうか、自分は移住したんだ!』って初めて気が付いたくらい」と松尾さん。
移住と同時に郡山の美容室で働きはじめ、スムーズに新生活はスタート。東京での勤務経験は技術面だけではなく、お客様とのコミュニケーションにおいても武器となりました。「お客様からこの町のことを教えていただいたり、郡山を知らないからこそ生まれるコミュニケーションがありました」。