INTERVIEW

#09

自分で考え、意思を大切に。

福島県南相馬市 在住 東山 晴菜(ひがしやま はるな)さん
京都府出身。
滋賀県で育ち大学卒業後、大阪にて農産物加工食品のバイヤーとして働く。震災を機に、福島の農業に対する想いが強くなり2016年、福島県二本松市に移住し、現在は南相馬市在住。

自分らしく生きる

京都府生まれ滋賀県育ち、大分県の大学で環境社会学を学んだ東山晴菜さんは大学のサークルで青森県の六ヶ所村を訪れ、原発に疑問を持った経験があるそうです。大学卒業後大阪府の会社で有機農産物の商品開発・流通に携わっていた頃、東日本大震災の原発事故を機に「大阪で生きて行く考えがなくなった。福島で農業を取り巻く課題に向き合いたい」と移住を決意。 福島へ移り住むことを心配する周囲からさまざまな声があったようですが、「福島の有機農業をなんとかしたい」という強い想いと「自分で決めたことはしっかりと形にしたい」という意志を持ち、福島県二本松市へ。
NPO法人ETIC.右腕派遣プログラムを通じ、NPO法人福島県有機農業ネットワークで勤務を始めます。
「自分らしく生きたいという気持ちだけでなく、周囲の理解や両親の後押しのおかげで今の私がいる」と嬉しそうに語ります。

お世話になっている農家さんと

驚きの連続!

秋の終わる頃に二本松市の岳温泉街近くのアパートで暮らし始めた東山さん。「寒い!え?トイレの水が凍って流れない!雪が多い!あれ?運転免許証の有効期限が切れて運転できない!」。移住生活のスタートは壮絶(?)なものだったそうです。
先ずは合宿免許で運転免許証を。「慣れない雪道で何度も車をぶつけそうになりました。雪かきも想像以上に大変でしたが、たくさんの地域の方々が支えてくれるんです。『よく来てくれたね』そんな一言から始まり、人が人を呼び、いろいろな方をご紹介いただき、輪が自然と広がっていきました。福島の魅力は人の器の大きさ。知らない土地に移り住んだ私のことも尊重してくれて、人の温かさが伝わってくる。福島のために何かできないかと意気込んで移住をした私ですが、福島の方々にしてもらう事のほうが100倍多い気がします!」と移住生活の始まりを振り返ります。
岳温泉の鏡ヶ池

幸せな時間

東山さんは現在、福島県南相馬市に住み、地域の振興に携わっています。大阪にいた頃は9時から22時まで働き土日は寝る生活、「この生活を続けるのは……」と考えていたそうです。今は遅くても18時には帰宅。「仕事が終わり外に出ても明るいことに戸惑いました。何をしようかなと。南相馬市は海辺の町で、おいしい魚を食べておいしい地酒を飲み楽しんでいます。体重が増えてしまいましたが!(笑)仲間との時間を楽しんだり、落ち着いて読書をする時間があるのは幸せだなと。早寝早起きで健康的な生活を送っています」と笑顔で話します。
東山さんは『移住者』と言われるのは違和感があるそうです。「肩に力をいれず、ちょっと行ってみようかなくらいが丁度いい。移住ではなく、自分のやりたいことをしてみる、自分と向き合ってみるという感覚。失敗したと思えば、帰っても負けではない。フラットな気持ちで来ることも大切かもしれませんね。でも免許証の有効期限はしっかり確認を!(笑)」
県内各地のおいしいものを巡り楽しむ
福島市のマルシェ『Good Day Market(グッデイマーケット)』にて
━━取材を終えて
東山さんが住む南相馬市は、2006年旧小高町、旧鹿島町、旧原町市の1市2町が合併して誕生し、福島県太平洋側の北部に位置しています。千年以上の歴史がある相馬野馬追は南相馬市全域にわたって行われ、全国から観光客が訪れます。
「今生きる場所として福島が好き」と話す東山さんは「素敵な人や場所が福島にはたくさんあります」と語ってくれました。

(掲載:2018年4月)

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