INTERVIEW

#24

夏は働き、冬は遊ぶ、理想の暮らし。

福島県 南会津郡 南会津町 在住  岩﨑 大(いわさき だい)さん・純子(じゅんこ)さん夫妻
岩﨑大さんは1979年に静岡県で生まれ幼少期を埼玉県で過ごす。純子さんは1977年東京生まれの東京育ち。二人は共通の趣味を通し南会津町で出会い、東京で結婚した。
南会津町へは2010年に移住し、現在は二人のお子さんにも恵まれ、南郷トマト生産農家として二人にとって理想的な暮らしを送っている。

田舎暮らしと理想的な暮らし

会津地方の南部、栃木県との県境に位置する南会津町。南会津町は本州にある郡としては最も面積が広い南会津郡に属しています。
南郷トマト農家として、忙しい日々を送っている岩﨑さん夫妻は、2010年に南会津町に移住しました。もともとは東京で暮らしていた二人が移住を決めたのは「田舎に行ってみる?」という純子さんの何気無い一言から。毎日仕事の愚痴をこぼす大さんの姿を見かねての言葉でした。
「彼女の口から田舎に行こうなんて言葉が出ると思っていなかったので驚きましたが、それが背中を押してくれました。幸いにもすぐに家が見つかり、1ヶ月後には引っ越していました」(大さん)
二人ともスキーが大好きで、出会いの場は南会津町にある「たかつえスキー場」だったそうです。その出会いもあり移住先として南会津町という選択肢が自然に出てきたとのこと。
「雪が降ることも知っていたし、むしろ雪かきは大好き!地域の皆さんからは“なんでこんなところに来たの?”と聞かれますが、何も苦労していないんです。夏はトマトの収穫があって大変ですが、冬は遊べますから(笑)」(純子さん)
移住後は二人のお子さんにも恵まれ、休みの日には趣味のスキーのほか、登山や川遊び、BBQなどを家族で楽しんでいるそうです。

南会津町内にある坪入山でスキー中の写真。背景にある山は南会津町と檜枝岐村(ひのえまたむら)の境にある三ツ岩岳。 (写真撮影:南郷トマト農家仲間の阿久津研二さん)

“南郷トマト”との出会いと選択

移住前は大さんがスキー関係、純子さんは歯科助手と、農業とは縁のない仕事をしていた二人。南郷トマト農家の道を選んだのはある意味巡り合わせだったのかもしれません。
「知人の紹介を受けトマト農家でアルバイトするようになった時に、南郷トマトは町のサポートも手厚く、農業が起業しやすい状態だということを知り、本格的に就農に向けて動き出しました」(大さん)
4年間ほどみっちり先輩農家の元で修行を積み、その後独立。JAや南会津町、先輩農家の方々までもが親身になって農地の候補を探してくれたほか、地主さんへの挨拶も一緒に行ってくれるなど、充実したバックアップ体制で就農を後押してくれました。なんと、農業の起業資金も通常の10分の1で済んだそう。
「未経験での就農でも、成功に導いてくれるノウハウが整っていたことが心強かった」と大さん。今では楽しみながら仕事に向き合っていると言います。
「農業は天候やトマトの様子を見ながら臨機応変にやっていくのが楽しいですね。確かに夏が近づくにつれ、トマトの生育が心配で寝られなくなったりピリピリしたりすることもありますが、それもせいぜい2ヶ月ほど。あとは時間にも余裕ができるので、日々仕事に追われるようなストレスはありません」(大さん)
純子さんの力も借り、夫婦二人三脚でトマト栽培に精を出しています。
収穫の最盛期を終えた南郷トマトの管理をする大さん

仕事、子育て、趣味の並立を叶えた移住生活

岩﨑さん夫妻が移住して良かったと思うことの一つが”子育て”だと言います。移住してすぐに純子さんが妊娠し、翌年(2011年)には第一子が、2013年には第二子が誕生しました。大自然の中ですくすくと育った子どもたちは畑が大好きで、今では進んでお手伝いもしてくれるようになったそうです。
「ここで暮らしているからか、子どもたちには生きる力が身についているような気がしますね。確かに周りに子どもが少なかったり、病院が遠かったりなどの不便はありますが、それでも子育てが窮屈じゃないというのは大きなメリットです」(純子さん)
移住してから間もなく10年目を迎える岩﨑さん夫婦。大さんがこれまでを振り返って、充実した日々の思いを語ってくれました。
「今はストレスなく暮らせる場所に来ることが出来たな、という気持ちが大きいです。仕事も大変ではありますが嫌ではないし、何より冬は遊べるし、理想的ですね」
登山時の家族写真(上)
家の裏庭でかまくら作りをする子どもたち(下)
(写真提供:岩﨑さん夫婦)
━━取材を終えて
移住はさまざまな決断や取捨選択を迫られます。住居、仕事、収入、子育て…。その判断基準を「自分たちに合った生き方を見つける」ことからブレずに持ち続けた岩﨑さんだからこそ、理想の暮らしを実現できたのではないでしょうか。

(掲載:2018年12月)

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