藤田旭美さんが三島町に移住したのは2015年6月。全国規模の移住相談会『移住・交流&地域おこしフェア』を訪ねたことがきっかけでした。
「激務の日々に体調も崩しがちだったことから、転職を考え、この機に山の近くで暮らしたいと考えていました。たくさんのブースの中で奥会津のブースの担当者と話しているうちに、移住をするならここしかないと思ったんです。それなりの覚悟が必要なのでギリギリまで悩みましたが、やっぱり行こうと思い立ったんです。うまく言えないのですが、奥会津に呼ばれたのかもしれません(笑)」。
藤田さんが三島町で暮らす不安を解消してくれたのは、三島町の中心部にある観光交流舘『からんころん』でした。「来たばかりの私に、暮らし方を教えてくれたり、野菜をくれたり、近所のおじいちゃんと仲良くなることが できる場所でした」と微笑みます。
奥会津振興センターの一員として藤田さんは、イベントや講座運営を担当。奥会津7町村(柳津町・三島町・金山町・昭和村・只見町・南会津町・桧枝岐村)の地元の人がとっておきの場所を紹介する冊子、『奥会津の歩き方』の制作を手掛けます。観光ガイドブックには載っていない内容に好評を得ながらも、2017年4月、藤田さんは仕事で培ってきた植物調査のキャリアを生かし、三島町役場の桐専門員に転職。桐の個体管理や、苗の育成を担当しています。
「親しくなると、いろいろと教えてくれるのが会津の方たち。奥会津に定住したかったので、親しくなった方々に『ここにずっと住みたいので仕事を探しています』と自分から伝える努力をしました」。